投稿

9月, 2021の投稿を表示しています

「サマーチューリング」制作裏話

イメージ
はじめに 2021年8月28日に、サマーチューリングが公開されました! プレイしてくださる方がいるのか心配でしたが、感想やいいね!を拝見して嬉しさを噛みしめております。本当にありがとうございます! この記事では、着想元の小説のことや、構想はしていたもののうまく盛り込めなかった設定など、制作中の紆余曲折を思いつくままに書いております。 本編以外の情報や、作者の意図などが含まれています。 また、トゥルーエンドの内容にも触れていますので、プレイ前の方はご注意ください。  ◇ タイトルについて イギリスの数学者アラン・チューリングが提案した、機械が人間的に思考したり振舞ったりすることが可能かをはかる「チューリングテスト」が元になっています。 あとは夏の話なので、安直にサマーチューリングとしました。公開時期が間に合ってよかったです。 着想元の小説と「レテ」について ハクスリーのディストピア小説『すばらしい新世界』(※)に大きな影響を受けています。 ※『すばらしい新世界』黒原敏行訳、光文社古典新訳文庫、2013年。ISBN 978-4334752729。 人間はすべて工場で生産され、受精卵の時点で組み込まれた能力により、アルファ、ベータ、ガンマの階級に分かれている世界。歪んだ世界に疑念を抱かないよう幼いころから催眠教育をほどこされ、何か辛いことがあれば、政府支給の「ソーマ」というドラッグでトリップしてしまうことを推奨される世界の話です。 ゲーム内では、このソーマを「レテ」として登場させました。ユゥジが常備しているうさんくさい薬ですが、この世界ではエナジードリンクくらいお手軽なものと考えています(正しい服用方法であれば、パーっと楽しい気分になるだけです。ユゥジやマユズミが使用するのは成分を強めた医療用のレテなので、記憶を消す効果があります)。 バーの背景には、このレテの看板らしきものを加えてみました。 左の壁の「A gramme is better than a damn.(うらむより一グラム)」が、原作から引用したソーマの売り文句です。 『サマーチューリング』の中では、このドラッグを記憶消去装置として機能させたかったので、ギリシア神話で「忘却の川」を指す「レテ」という名前に変えています。 また、ルカエンドと"マユズミ"エンドにも、おなじくギリシア神話に由来す...